ゴッホの情熱と若きピアニスト。今を生きる「才能」のカタチ
天は二物も三物も与えた。それ以外に何と彼を形容するのが相応しいというのか?そのような若いピアニストが彗星の如くに登場しました。生まれ持った稀有な才能、努力を努力と感じない才能、それらを支え伸ばす周囲の理解と環境、彼は全てに恵まれた幸運の人かもしれません。でも、何よりも演奏が心を打つのです。一体どうしたらこんな天才が生まれてくるのでしょう?!
ゴッホの作品を生で観たことはありますか。印刷物では絶対に分かりませんが、油彩作品は絵具が一筆ごとに重ねて描かれています。私がゴッホの作品から受けたインスピレーションは、ただただ描かずにはいられないというパッションでした。
ゴッホの才能は死後に認められたのです。演奏家は、今この瞬間を聴衆に届けることが仕事です。ゴッホのように「後世の評価」にすべてを委ねることはできません。だからこそ、今を生きる演奏家がその稀有な才能を余すことなく発揮し、リアルタイムで正当に評価され、愛される世界であってほしいと願います。
才能とは、一握りの天才だけの特権ではないかもしれません。 今、目の前にある音楽にどれだけのパッションを注げるか。その純度を高めていくことこそが、私たちにできる最大の努力であり、今この瞬間を生きる演奏家の、最も美しい姿なのだと彼を見て思うのです。
