不可能が可能に

朝霞市・新座市Sumiピアノ教室です。こんにちは。

前回はハノンの目的についてお話させて頂きました。記事はこちら
当教室では、ハノンの導入は小学校低学年~中学年を目安にしています。勿論個人差もあり、ハノンを導入しない生徒さんも居ます。

かつて私が子どもの頃は、全音版の全訳ハノンをフルバージョンで弾かされました。はい、弾かされた、のでした。当時は子ども用に編集された可愛い表紙で大きな音符で印刷されたハノンが無かったので、それが当たり前でした。もしかすると当時も子ども用ハノンは有ったのかもしれませんが。

当教室HPのAbout bodyworkを是非お読み頂きたいのですが、幼いころからの積み重ねを軽視しては絶対にいけません。目の前に居る子どもの5年、10年、20年後に痛みと苦しみが待っているとしたら??想像しただけでも胸が痛みます。

全訳ハノンは60番まであります。最後の60番は楽譜を見ただけでも後ろにバタンッと倒れてしまいそうになります。これが全6ページ(ひぇー)。小学生の頃から時折思い出しては60番の演奏を試みたものですが、最初の2~3小節弾いただけで前腕に痛みが出て先に進めませんでした。こんな練習曲が世の中に存在する意味が皆目分からなかったものです。どんなマゾか!と。

このたび、そのようなことを思い出し、楽器と身体の快適なコネクトについて研究をしている今の私だったら弾けるだろうか?と、この60番にトライしてみました。

結果

最後までテンポで演奏できました。当然と言えば当然だけど、当時の自分から見れば超絶なミラクルです。演奏する時の余計な力みを正しい形でリリースする、そんな発想が当時の自分にはありませんでしたし、教わったこともありませんでしたから。また当時は知る由もなかった60番の和声進行も、今なら分析することができます。不可能が何十年もあとに可能になることもあるのです。

でも、しかし、but、積極的に演奏したい曲では無いですね←という考えを見透かされているかの如く、ハノンの巻末には“この本一冊60番まで全部弾いても1時間、この程度の練習は毎日続けてなんぼ、決して大げさ言うてるのとちゃいますで”とあります。

…。

 

ハノンの目的

朝霞市・新座市Sumiピアノ教室です。こんにちは。

ハノンを使う目的は何でしょう。
指の強化?
各指の独立を促す?
指を速くグルグルと回すため?

ハノンの巻頭にはハノン自身の言葉で、“努力も疲れもせずメカニッスティックな難しさを乗り越えることが出来る”とあります。ピアノ教育の世界では長年、ハノン教本は指の筋トレと捉えられてきました。しかし、ハノンが挙げているハノンの目的7つ(詳細は全訳版ハノンをご覧ください)の中に“手首を柔らかくする”という文言が含まれています。

ハノンは1819年フランス生まれなのでロマン派の作曲家になります。この時代の楽器は現代のピアノとは勿論異なります。

ということは。ハノン教本がフィンガートレーニングを目的に書かれたものであっても、その使い方は、ある意味厳格なドイツ音楽とは異なるわけです。

あくまでも私がハノンを導入する目的ですが、メカニックな技術の向上は結果論であると考えています。何故ならば、ハノンは耳を育てることを目的に導入しているからです。鍵盤を叩くようにアクセントを弾いたり機械的に速く弾くことだけが目的になってしまっては、怪我を防止し、身体を守るという観点においても危険です。耳にゴツゴツガチガチ当たる不快な音群は、そのような音を出してしまう身体の使い方に問題があるのです。

連続する音型の中に美しい音色が常あるかどうか、身体がカチコチに固まっていないか、耳と心身に快適であるか、いつでもあなたの耳でじっくりと音色を確かめてくださいね。そのためにも強音やハイスピードが必須である理由はないのです。これはハノンに限らずですが。

少し前に病院の受付で“山田(仮)ハノンさーん”と呼ばれていた中学生位の女の子が居ました。御両親が音楽に親しんでいらっしゃる方なのかしら?ハノンさんの兄弟姉妹はツェルニーさん、ピシュナさん、ル・クーペさんだったりして。或いは他の楽器でポッパーさん、カイザーさんかしら?等々思い巡らす午後のひと時in待合室。

ちなみに、ハノンはフランス人なのでHANONのHは発音せずにアノンと読むのが正式です。エルメスの綴りがHERMESなのと一緒なのですね。

 

 

 

伴奏

朝霞市・新座市Sumiピアノ教室です。こんにちは。

梅雨の終盤、雨が続きますね。今月に入ってから日照時間がとても短いため、プールの授業が中止になるというお話を生徒さんから聞きます。暑さがすこぶる苦手な私には恵みの雨なのですが、農作物への影響が心配になってきました。

さて、今日は伴奏についてです。ここ最近も当教室の生徒さんたちが学校での伴奏オーディションに合格したという嬉しいお話を届けてくれます。オーディションは狭き門のようですね。

伴奏者の役割は何かというと、チーム(クラス)に貢献する立場であるということです。目立ちたいから伴奏者になりたい←オーディションを受ける動機としては有りかもしれないけど、そのような気持ちの伴奏者は音楽を一つにまとめることは出来ません。

小中学校の合唱、合奏の伴奏では有り得ないお話ですが、指揮者の先生の求めるレヴェルに応えるために集中砲火を浴びる、皆の矢面に立つ、そのような場面も多々あります(ありました)。なかなかハードな立場です。でも、それで皆で奏でる音楽がより豊かになっていくならば、泣き言を言ってはせっかく選んでもらった伴奏者としては失格です。食らいついてやる!位の負けん気が必要です(でした)。カッコ内は私の経験です。大学時代のW先生、鍛えて頂きありがとうございます。W先生のご指導で伴奏をする学生が必ず受ける洗礼を私も受洗しました。海外演奏旅行のための準備なのですから、超絶厳しくて当たり前ですが、音大にも体育会系と遜色ない場面があったものですね。

ソリストの伴奏は合唱、合奏とはまた違います。近年の声楽や器楽のソロ演奏会は必ず『ソリスト名&ピアノ伴奏者名デュオリサイタル』となっています。伴奏者が一歩下がってソリストを支えるという構図は無く、対等な立場なのです。伴奏者よりも共演者と言った方が正確です。ピアノ独奏曲とは違うアプローチが必要で勉強量は2倍以上です。

チャンスがあれば学校のオーディションは勿論、器楽の伴奏にも是非チャレンジしてみましょう!

今回の記事『伴奏』の続編はこちら
是非お立ち寄りください。

 

 

キャパシティ

朝霞市・新座市Sumiピアノ教室です。こんにちは。

ブログコーナーに時々登場のSちゃん。この春から中学生になりました。小学校を卒業する前から、一分の迷いもなくピアノを継続したいという意思を伝えてくれていました。彼女にとってはごくごく当たり前の選択とのことです。

中学に入学してからは運動部に入り、今は真っ黒に日焼けした健康ガールに。試験前も試験中もレッスンをお休みすることはありません。逆に私の方からレッスンペースはSちゃんが選んで良いんだよとお伝えしたことがあるのですが、3年連続皆勤賞の彼女が選ぶ自分のペースとは、年間レッスン全てに出席することなのだそうです。実にサラリと。

期末試験の結果も納得だったとのことで、小学生の頃からSちゃんは学校の勉強もきっと得意で好きなんだろうなと感じていました。マルチタスクを難なくこなすキャパシティを持っているのです。中学入学以降、その能力にどんどん磨きがかかってきています。ご本人はいつもニッコリと自然体です。学校の成績を自慢するようなことも一切ありません。

中学受験、略して中受(ちゅうじゅ)という言い方を聞きますが、塾に通って中受を目指す方、中学以降の受験期、ともに当教室ではレッスン回数(月1回~)やソルフェージュ中心のレッスン内容をお選び頂く事ができます。ソルフェージュは演奏センスを磨き、音楽能力を高める重要な分野です。忙しい時期を好機と捉えてソルフェに集中するのも得策です。

継続は力なり。マルチタスク能力やIQを高める可能性がそこに秘められているのではないでしょうか。いつの日か、そのお返しを存分に享受してください。音楽はいつでも貴方の味方です。

 

音楽だからこそ表現できること

朝霞市・新座市Sumiピアノ教室です。こんにちは。

今の小中学校での音楽の授業に教材鑑賞はあるのでしょうか。全員同じ音楽をCDで聴いて感想文を書くという内容です。

音楽をコトバに変換してしまう、変換し過ぎてしまうということに注意を向けたいと思います。
ロマン派の作品は文学、絵画、音楽が融合した時代様式に則って、標題音楽という題名がつけられた楽曲が生み出されました。しかし、ショパンは徹底的に標題を避けました。革命、雨だれ、子犬のワルツ、別れの曲…これは本人が付けたタイトルではありません。ショパンは題名が付く事で音楽のイメージが固定化されることをよしとしなかったのです。

例えば、ピアノの入門テキストに“おいしいジュース(仮)”という曲があったとします。幼少の生徒に“何のジュース?どんな味?どんな色?どんなコップに入っているの?”等々細かく聞くのは、私はナンセンスに思うのです。そんな質問をされたら言語で答えるしかないし、語彙の少ない年齢の子どもならば困惑する他に術がないでしょう。私だったら「つまらないなぁ~」と欠伸をするかも。鑑賞教材の感想文もそうですが、言語化することが優先されて、音楽というのは取り敢えずコトバに変換すれば良いんだという誤解を招きかねません。

奏者が楽曲にどんなイメージを持つかは自由です。それこそ音で自由に遊んで欲しいと思います。或いは楽譜を再現するだけで精いっぱいなら、イメージ云々は横に置いて仕上げを積み重ねていく。そして余裕が出来た時、美味しいジュースを飲んだ時の幸せな気持ち、喉の渇きが潤された瞬間に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

受賞者記念コンサート

朝霞市・新座市Sumiピアノ教室です。当教室のコンクールグランプリ受賞生徒が受賞者記念コンサートに出演します。選曲は、コンクールで接点を持たせて頂いた皆さまへのリスペクトと、未来を拓いていくというストーリーが込められたものです。皆さまお誘いあわせの上、お運び頂けましたら幸甚です。
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