Shigeru Kawai

ピアノサイタルもオーケストラの演奏会も、私は概ね舞台向かってセンターよりもやや右寄りの座席を選んでチケットをいつも購入しています。オケの場合は低音が聴こえてくるのが好みなので。
昨日のピアノリサイタルは、たまたまですが前から10列目程のセンター良席が空いていたので、普段は選ばないこちらの席を購入していました。
センター席は鍵盤やフォームがよく見えるので視覚的にも楽しめる席ですが(ピアノリサイタルの場合)、昨日の衝撃は、Shigeru Kawaiの音色でした。
魂を奪われるような、あたたかい温度のある音。勿論、ピアニストにより同じ楽器でも音色が異なるのがピアノという楽器の醍醐味ですが、スタインウェイとはまた違う味わいの深い音色です。
冬場なので、満席のお客さん方のモコモコ衣類で大分音が吸音されてマットに聴こえたのですが、それも含めて今までに無い経験がそこにありました。
第一部の後半で段々音が下がってきているのが分かりましたが、休憩時間中には勿論調律が入っていました。
後から知ったのですが、調律の方はショパンコンクールの時に調律を担当されていた方だそうです。

大学院在籍中、学校の練習室の楽器で好き弾いていたのはKAWAIでした。卒試(という名のリサイタル試験)の直前練習もKAWAIでしていました。新品のShigeru Kawaiも院で弾いたことがありますが、何年もかけて音色を育てていくことが出来るのがピアノの素晴らしさでもあります。
あらためて、世界の舞台でたくさんのピアニストから信頼を得て選ばれる楽器を生んだ日本の技術力、先人の皆様の努力に敬意を抱かずにはいられません。

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