小さな「正しい連動」が未来を創る。平安の東宮に教えたい、毎日のコツコツ奏法

今期の大河ドラマ「光る君へ」で熱く注目されている源氏物語。

或る寝苦しい熱帯夜、昔々に購入した田辺聖子訳をあらためて読み始めたところ、夢中になりすぎて丑三つ時を過ぎてしまうこともしばしば。このままでは日本に居ながらジェットラグに陥ってしまいます…!

さて、光源氏の子息(ということは極秘も極秘なのですが)である幼い東宮についての記述に”おん歯が少し虫ばんで、お口の内が黒くみえ、笑っていられる様子は、女の子のようにやさしげでお美しい”とあります。

え…?前歯が虫歯になって黒くなっているという記述、お歯黒の如くと描写しているようです。これが優しく美しいという価値観なのでしょうか…。

いやいや、乳歯を虫歯にしてしまうなど言語道断、乳歯は永久歯が正しい歯並びで生えてくるための誘導という大切な役割を担っています。

歯列矯正技術はもとより歯科医師もデンタルケアツールも何も存在しない時代、歯並びに難があれば虫歯になりやすく大変リスキーだったのでは。平安時代は歯が痛くなったら祈禱していたのでしょうか。源氏物語にその記述は出てきませんが。

嗚呼、東宮のお口の中にキッズ用デンタルブラシを入れてゴシゴシ磨きたい。歯ブラシの持ち方はペングリップが基本です。尚、正しくはゴシゴシではなく小刻みにブラシを動かします。

—などと、小児歯科の啓蒙ブログのようになってしまいましたが(笑)、実はこれ、ピアノの練習と全く同じことなのです。
乳歯の頃からの日々の正しいお手入れが美しい永久歯を育てるように、ピアノも毎日の小さなコツコツとした正しい練習の積み重ねこそが、将来の美しく、故障のない演奏の基礎(地層)を作ります。
「正しい持ち方で、小刻みに動かす」というデンタルケアの基本は、まさにピアノの快適な身体の使い方および連動そのもの。
毎日コツコツ、お口もピアノも磨き上げてまいりましょう。