Chopin Etude Op.10-1を分析

Chopin Etude Op.10-1を分析

2018年5月23日

朝霞市・新座市Sumiピアノ教室です。こんにちは。

Op.10-1ハ長調は右手でアルペジオ、しかも10度を高速で往復し続ける超難曲です。そうですね、難曲なのは勿論なのですが、楽器と身体の勉強をする前、故障ばかりしていた時の私は、この曲は手が大きくなければ絶対に弾けないと思っていました。でも、それは違います。

お手元に日傘、雨傘があったらお部屋の中で閉じたり開いたりしてみてください。折り畳みではなく長傘ね。食卓の側とか人が居る側でやってはいけませんからね。この傘の動きをそっくりそのままピアノの上でやれば、10度はラクに移動出来ます。このテクニックが分かれば小学生でもこの曲は弾けることになります。

But、楽譜を広げると、終始行ったり来たりしている右手を支えるのが左手オクターブのベース音です。この曲の命はコードプログレッションの色彩感を表現することです。トニック、ドミナント、サブドミを理解して演奏することは基本の基本のキですが、おお!そうきましたか!!というポイントが散りばめられている。緻密に計算された、でも軽やかなオシャレなショパンのメッセージを解読して初めて音楽になるのです。

例えば、今の時代の音楽には当たり前のように出てくるオーギュメントやsus4。このオシャレな斬新なサウンドをサラリと使っていますね。そしてお馴染みの4度進行ですが、4度に行く途中にワンクッション置いている箇所があります。お約束の4度進行もショパンの魔法のような色使いが楽譜の中にハッキリとメッセージされています。

なので、左手のオクターブは平坦にのっぺりとイ〇トアヤコの眉毛みたいには弾かないということが分かります。

アナリーゼ(楽曲分析)は、自分が生まれる遥か前に亡くなった作曲家を直ぐ隣に召喚する魔法なのです。

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Sumiピアノ教室