ショパンコンクール2025

前回はコロナ禍のため2021年の開催でした。あれから4年も経過したのですね。
光陰矢の如し、この4年間で当時のコンテスタントも私達も様々な人生の道を歩み続けてきました。
ピアニストとしてこの国際コンクールの舞台に立てるチャンスは一生に1度か2度、
今回、特に2度目のチャレンジを遂げるピアニストの方々の演奏に感銘を受けています。
インターネットを介して世界中でワルシャワからの生演奏を聴けること、
現代のこの技術をショパンが知ったら何て言うかな、そんなことを思いつつ。

YAMAHA、Shigeru Kawai、Steinway、ファツォリ、そしてベヒシュタインから
ピアニストたちは15分(だったかな)の時間を与えられて
夢の舞台のパートナーを選定していきます。
国際コンクールの頂点を極める舞台で日本の楽器メーカー2社が採用されていること、
そして大変嬉しいことにShigeru Kawaiを選定するコンテスタントが
多数いること、日本人として誇らしく思います。

何度か行ったNYから日本の空港に帰って来た時、真っ先に日本を感じたのは湿度でした。
ベタッとした嫌な湿度ではなく、呼吸する度に五臓六腑に拡散される日本の
湿度に自分の身体が守られているという安心感とともに、こんなにも湿度高い国土の中で
世界に名を馳せるピアノを作り上げてきた日本の技術力をあらためて感じたのです。
日本からヴァイオリンをヨーロッパに持っていくと、乾燥で楽器が割れてしまうこともあるとか。
羊と鋼の森たるピアノも同じです。季節、気温、湿度、天候で毎日ピアノのコンディションは
変わります。生きている人間と同じなのです。

ネットを介しても各楽器の音色の違いが伝わってくるのもLIVE中継の醍醐味です。
イブニングセッションは日本時間の真夜中になりますが、
さて、ジェットラグとどうやってお付き合いしていきましょうー?!
嬉しい悩みであります。

 

Blog

前の記事

熟成の秘密3
Blog

次の記事

ショパンコンクール2025 その2