ハノンの目的

2019年7月21日

朝霞市・新座市Sumiピアノ教室です。こんにちは。

ハノンを使う目的は何でしょう。
指の強化?
各指の独立を促す?
指を速くグルグル回すため?

ハノンの巻頭にはハノン自身の言葉で、“努力も疲れもせずメカニッスティックな難しさを乗り越えることが出来る”とあります。日本のピアノ教育界では長年ハノン教本は指の筋トレと捉えられてきました。しかし、ハノンが挙げているハノン教本の目的7つ(詳細は全訳版ハノンをご覧ください)の中に“手首を柔らかくする”という文言が含まれています。

ハノンは1819年フランス生まれなのでロマン派の作曲家になります。この時代の楽器は現代のピアノとは勿論異なります。

ということは。ハノン教本がフィンガートレーニングを目的に書かれたものであっても、その使い方は、ある意味厳格なドイツ音楽とは異なるわけです。

あくまでも私がハノンを導入する目的ですが、メカニックな技術の向上は結果論であると考えています。何故ならば、ハノンは耳を育てることを目的に導入しているからです。鍵盤を叩くようにアクセントを弾いたり機械的に速く弾くことだけが目的になってしまっては、怪我を防止し、身体を守るという観点においても危険です。耳にゴツゴツガチガチ当たる不快な音群は、そのような音を出してしまう身体の使い方に問題があるのです。

連続する音型の中に美しい音色が常あるかどうか、身体がカチコチに固まっていないか、耳と心身に快適であるか、いつでもあなたの耳でじっくりと音色を確かめてください。そのためにも強音やハイスピードが必須である理由はないのです。これはハノンに限らずですが。

少し前に病院の受付で“山田(仮)ハノンさーん”と呼ばれていた中学生位の女の子が居ました。御両親が音楽に親しんでいらっしゃる方なのかしら?ハノンさんの兄弟姉妹はツェルニーさん、ピシュナさん、ル・クーペさんだったりして。或いは他の楽器でポッパーさん、カイザーさんかしら?等々思い巡らす午後のひと時in待合室。

ちなみに、ハノンはフランス人なのでHANONのHは発音せずにアノンと読むのが正式です。エルメスの綴りがHERMESなのと一緒なのですね。